篠沢さんに頼まれた資料はすぐに見つかった。

あたしは資料が綴じてあるファイルを抱えて、エレベーターに乗り込み、篠沢さんのフロアの階へ向かった。


篠沢さんいるかな、なんて。

少し、ワクワクしながら。




「失礼します」

昼休みで皆出払っている部屋はガランとしていた。

「…いるわけないか。」
少し溜め息をついて部屋に入る。

ブランドが違うと部屋の雰囲気まで違うのか、少しピリっとした空気を感じた。