蔵人がギュっと私を抱き締めた。




『亜喜良が可愛いって事。』




私が可愛い?




可愛い訳ない、だって現に蔵人投げ飛ばしたし、




こんな彼女いる?




『亜喜良は亜喜良でいいんだよ。


見掛けだけの可愛さじゃないんだ。


亜喜良の良さは俺が一番知ってるからね。』




蔵人は何でこんな私がいいんだろう?





だって蔵人はずっと美和さんを好きだったはず?




「蔵人美和さんの事はいいの? 」




『美和のことね、好きだったよ、ずっと、俺気が付いたんだ。


美和の事は妹みたいに、思ってた。


側にいてずっと守ってやりたいって。


それは愛情でないことに気付いたんだよ。


俺の頭の中は亜喜良の事で一杯だよ。』




蔵人は私が嬉しくなってしまう言葉をサラッと言ってくれる。




そんな言葉に凄く幸せを感じてしまうんだ。