蔵人が連れて来てくれたラーメン屋は、決して綺麗なお店じゃなかった。




たけど、ラーメンが旨い。



ラーメン好きな私が誉めるんだから、本当に美味しい。




『な、旨いだろ。店は今一たけど、味は抜群だから。』




「今一の店で悪かったな。」



カウンターから顔を出した、かなりなイケメンさん。



『こいつ俺の幼馴染みの永島雷太。



雷太の親父が亡くなって、こいつが店を継いだ。



雷太も本当は医者になりたかったんだよな。



雷太の分も俺が頑張らる事にしたよ。』




「蔵人は医者の息子だから、最初から決まってんだよ。」




え、嘘、このむさ苦しい男も医大生で、しかも医者の息子。




さっき自己紹介の時、医大生って言ってた気がする。