「まぁ…感染経路も、分かっていないんですが…命に別状ありません。」 黒木医師は人事のように笑った。 医者として…どうかと思うけど言わなかった。 「インプリン症…はわかりましたけど…何が超注意事項…何ですか?」 黒木医師はホワイトボードに何かを書き始めた。 書き出されたのは“あたしの名前”と“インプリン症の患者”だった。 「インプリンティング症の恐ろしい所は…“発症後に初めて目があった人物に一目惚れする”所にあります」