「来てくれて良かった…遊佐の奴が…」

「うるせーんだよっ!!放っておいてくれよっ」

哲平の言葉を

怒鳴り声で掻き消した遊佐に

私は何も分からない不安と

遊佐に対しての恐怖感が込み上げてきて…

「な、何?何があったの…?」

遊佐は黙ったまま何も言おうとはせずに

「こいつの手を見てみれよ」

哲平が

怒りを抑えるように

静かに言った。