これが、二時間前の出来事。



「椎凪、ありがとう。」



俺はベッドから起き上がって、椎凪に言った。

そうすると、椎凪は泣きながら言った。



「ううん、…ごめんね…ごめんね。隼斗。私のせいで、いっぱい傷付けた。」


「お前のせいじゃないよ。恐かっただろ?早く助けにいけなくて、ごめん。」



椎凪は目を真っ赤にして、俺を見た。

鼻をすすって、涙をふいた椎凪。

俺は、無意識に抱き締めた。



「え?は、隼斗!?」


「椎凪。ごめん…」


「もう謝らないで?隼斗のせいじゃないじゃん。」



そう言って、俺の腕からスッと抜けた。

そして、笑顔で言った。



「ありがとう☆」



自分で顔が赤く染まるのを感じた。

だって、天使みたいな笑顔で「ありがとう☆」って……