と言われた。

人1人入れる小さな扉。

というか
かなり赤錆びていてこのドア開くのかな?
といった印象だ。

建物はかなり古いレンガ積みだ。

それに何なんだこの入り口は、
ツタで覆われていて看板すらない。

○×印刷とか○×工場とかあってもよさそうだが。

ギシギシ言いながら重く開かれた鉄の扉は
すぐに垂直に近いほど落差のある階段で
中は薄暗く湿気を多く含んでいた。

ちょっと待て。

この構造は何なんだ。

入ってすぐ地下か?

それも垂直だぞ。

まるで梯子だなこりゃ。

下手すりゃ落っこちて死ぬぞ。

妙な胸騒ぎは鉄の扉の前ですでに感じてはいたが、
いきなり現れた角度の全くない階段にはびっくりさせられた。