「俺な、大学行ってバイトやったんだ」

「へぇ」

「その人たちいい人だから紹介するよ」

どこでバイトしてたんだろう?

そんなあたしの心を見透かしたように想は続けた。

「アソコだよ。あの可愛いカフェ」

「あ、アソコなの!?いいなぁ!」

「今度行こうな」

早く行きたいな。

あたしたちはごく自然に手を取り合った。
指を絡めて歩幅を合わせて、ゆっくりとこれから住むであろう家へ向かった。

「面白い人たちだからきっと智葉も気に入るよ」

「本当?はやく会いたい!」

「明日にでも会いに行こう。今日はもう疲れたから」

「そうだね」

それにもう夕方。

今日は腕によりをかけて夕御飯を作ろう。

「スーパーに寄ろうか」

そう言ってスーパーに寄り、食材を買って家につく。