それからあたしたちはいっぱい話した。
思い出や、離れていた時の話。

悲しいこと、嬉しいこと、たくさん話した。

「じゃあね、おと!」

「バイバイ、お幸せに」

ニヤリと悪戯っぽく笑ってそう言った。

「もう、わかってる!」

「あはは!」

あたしたちは姿が見えなくなるまで手を振りあった。

また会える。いつでも。
当たり前の幸せが嬉しい。


「茜ちゃんね」

話さなくちゃ茜ちゃんのこと。

「無事和解。今日からまたあの家に住むんだって。もうあの子は大丈夫だよ」

想は一瞬驚いたような顔になったが、それは一瞬。
すぐ、優しく笑った。

「お疲れさま」

やっぱり想は優しいね。

「ありがとう。迷惑かけたよね、あたし」

「たしかになぁ」

もう、また想はそう言うこと言って!