「なんかさぁ、こないだから藤栄君変わった」

「は?」

「なんだか大人になった感じ」

「まぁ、一応大人ですから」

「まだ大学一年でしょうが」

「あ、じゃあ俺これから面接なんで」

特に欲しいものがあるわけじゃない
別にお金がないわけでもない

ただ…もし…俺たちの間で…その、そういう風になったとき、親の金じゃ格好つかないから。


自分で稼いだ金で、ちゃんとやりたいから…。


いつかのためって…馬鹿馬鹿しいかもしれない。
根拠のない約束に…こんなに頑張る必要はないかもしれない。
だけど俺は馬鹿だっていい…
智葉のために頑張ってみたいんだ。

もし約束が嘘になったとしても
別に無駄にはならないからかまわないと…。