「は?ともアンタそれ本気で言ってんの?」

「ああ」

「バカじゃないの!?智葉にもう一生会えなくなるかもしれないんだよ!?」

「如月、俺はともに賛成だ」

「藤栄君まで…」

「俺たちはまだ子供だ。
何の力もない。
それに智葉が何にもないままで戻ってこないわけないだろ?
俺は智葉を信じるよ」

「私だって、智葉を信じてるわよ!」

俺だって本当は探し出して連れ戻したい。
だけど俺はそれ以上に智葉を信じてみたい。
智葉の残したあの意味を…試してみたいんだ。


俺は智葉が消えてからすぐ電話した。
アイツ、携帯変えてやがった。
繋がらない。
メールも届かない。

完璧に智葉は行方を眩ました。


時間がたつのは早いもので俺たちはあっという間に高校三年生になっていた。