「あ、あたしだって逃げたくて逃げた訳じゃないしっ…」

「でも逃げたことには変わらないじゃない?」

「ゔっ…」

痛いところを突かれてしまった。

「もう一度、向き合ってきな!」

「ええ!?」

「ええ!?じゃない!」

「…はい」

そうだよね…ちゃんと向き合わなきゃ…。
結果は何であれ向き合わないといけないよね。


「おと…」

「ん?」

あたしはスクッと立ち上がった。

「いってきます!」

「頑張って」

「ありがとう!」

あたしは想の元に走り出した。
あたし今までで、どんだけ走ったんだろう…。


しばらく走ると愛しい後ろ姿が…。


「想!!!」

「!?」

いきなりの叫び声に驚いて辺りをキョロキョロ見回す想。