「うん…」

「じゃあ茜ちゃん、あたし帰るからまた来るよ」

今はきっと…想と茜ちゃんが話し合うべきだ。

これからどうするとか
本当はどう思ってるとか
本当はどうしたいとか

色々話し合わなきゃいけないんだ。



「あ…智葉」

「おと!なんでぇ!?」

「ううん、とくに用事はないんだけど…。
智葉と話がしたくて葉月君に聞いたら多分ここって」

おとは少し間を置いてから口を開いた。

「いいかな?」

「うん」

あたしも…おとと話したかった。

この数日間色々忙しくて何だかんだでおとと全然話してないんだ。



「あのさ…智葉は藤栄君のこと好き?」

久しぶりに…聞かれたな。

「…うん」

今のあたしは…素直に言える。
想が好きって。

守りたかったモノを傷つけてて…
それで手にしたこの重い想い…。