「綺麗事なんかじゃ…」

「どうせ『茜ちゃんを愛してる人はいるよ』でしょ!?
そんなの聞きたくないの!」

図星だった。

あたしは何も言えずただただ時間だけが過ぎていった。


あたしは…どうすればいい?
誰か…あたしに答えを下さい…。

「…皆、嫌い」

茜ちゃんは独り言のようにそう言った。

茜ちゃんがこんな風になってしまった原因…。
スカイグループ社長…彼の手が必要だと思った。

――でもどうやって?

あたしみたいなのが社長に会えるわけがない。
直談判なんて無理。

どうしよう。

「茜ちゃん、あたしまた来る」

そう行って去ろうとしたそのとき
グイッとすごい力で引っ張られた。

「え?」

「…本当?」

「うん…そんなつまらない嘘なんてつかないよ」

そういうと気のせいかもしれないけど嬉しそうにクスリと笑って手を離し布団に潜り込んだ。