「お母さん、ね…」

何かを察したように茜ちゃんは呟いた。

「お母さんは…死んじゃったの…
妹を産んだ二年後に…
お母さんは私を愛してくれたの。
お母さんが死んじゃってからなの、アイツが私に冷たくなったのは…」

茜ちゃんを愛していたお母さん。
お父さんは、茜ちゃんを愛していたんじゃなくて…愛してる人が愛してたから一緒に愛したのかな…?

でも…茜ちゃんだって、娘だよ?

「妹より明らかに私のほうができるのに…
なんでよ、なんであの子ばっかり!!
想ちゃんも…
なんでいっつもアンタたちばっかり愛されるの!?
私だって愛されたい!
なのに誰も愛してくれない!!」

「茜ちゃん!そんなことないよっ…」

「綺麗事なんて聞きたくないんだからね!」

突き放すように茜ちゃんはそう叫んだ。