「じゃあ…」

「私は想ちゃんを手放す気はないの」

「……なんでそこまで想に執着するの？」

別に想じゃなくったっていいはずなのに…。

「私だって最初は純粋に好きだった。
思い通りにならないほど彼を壊したくなった。
一度やってみればやめられなくなって…。
もう…私は普通には人を愛せない。」

「ねぇ茜ちゃん…何を意地になってるの？」

茜ちゃんも、もがき続けていたんだね。
でも、あたしには意地になってるようにしか、見えないんだ。

「意地になんて！」

「そうやって自分にはもう無理だなんて線を引いて…
違う…意地になってるんじゃないんだ…
怖がっているんでしょ？」

「私は何も怖くない！」

愛されないことが怖いから、
愛すように仕向ける。
彼の心がそこにはなくても…