「ごめんなさいね
患者さんのプライバシーに関わることは言えないの。
でも外出許可が出たのは結構前よ。
今日なんかめかし込んで出掛けていったわ」
私からはこれ以上いえないの。
と言って去っていった。

「……きいた?」

「ああ」

「どういうこと?」

「さぁ…」

なんで?
めかしこむ?
わざわざなんでそんな必要が…?

「詳しい話は本人が帰ってきてからな」

そう言ってあたしたちは病室に戻った。

と、ドアが開く音がした。
後ろを振り向くと同時にドサッと言う音がした。

「………うそ」

驚き、鞄を落とした茜ちゃんはそう呟いた。
「随分長い外出ね?
そんなにお洒落しちゃって……デートでもしてたの?」

「ははは…」

「茜ちゃん、本当の事言って、どこいってたの?」