ちょうどこの頃からだった。
想は茜、茜は想ちゃんと呼び出したのは。

『あっキミが想ちゃんの親友ね、私のことは茜でいいよ』

『い、いや、あんま女子を呼び捨てにしたくないから……』

『ふーん、そっかぁ……』

そう言って茜は俺の手をとった。
そしてゆっくりでも力強く俺の手の甲に爪を立てた。

『いっ……!』

『よんでくれないの?
親友の彼女だよ?特別でしょ?』

増していく力、滲む血。

『それとも私のこときらい?』

『きらいじゃ、な、い…』

痛い痛い痛い痛い
血が流れる。
それでも容赦なく食い込む爪。

『じゃあよべない理由なんてないじゃない?』

『…たっ…!!!』

いきなり力を入れてきた。
しかもその力はどんどん強くなっていく。

『あっ…あかっ茜!茜茜茜!!』