「そんなことないよ
慣れれば結構出来ちゃうもんだよ」

その時だった。
茜ちゃんの病室のドアが開いた。

「もう遅いよー……
まったくもう、学校とっくに終わってるはずでしょー?」

「悪い、日直で……」

そう言いながら姿を現したのは
紛れもない
想だ――…。

なんで茜ちゃんの病室に?

「なんでいんだよ」

それは、あたしの台詞……。

「もう想ちゃんそんな怖い顔しないで…?
怖がっちゃうよ」

怖がる?
ううんそれはないよ
だって…

あたし…知ってるもん
想の優しさ…。

怖いなんて思えないもん。

「ごめん茜ちゃん
あたし帰るね」

「ええ!やだやだ…」

あたしも、やだ
だってこの二人が楽しそうにしてるとこなんて見たくないもん…。