「おと!」

靴を履いて、昇降口から出かけたおとを呼び止めた。

「何があったかは知らないし…あたしもおとみたいに無理に聞いたりはしないよ。
でも、無理しないで!何かあったらあたしが…
あたしが支えるから!
今度はあたしの番なんだから!」

おとがいつか話してきたときに聞こうと思う。

「見っけ」

ビクッと体が跳ねた。

「し…あまちゃん!」

「サボりの不良生徒一名はっけーん」

やっかいな先生に捕まった。
最悪だ。

「如月さんの付き添いしてて早退するんで見送っただけでーす」

「それでも、だ」

チッ
ダメだこいつ

「朝倉さーん?」

「はいはい戻ればいいんでしょ!」

あたしは歩き出した。
何で付いてくんのー!?