「じゃあねまた……」

「もう、そんな名残惜しそうな顔しないの!」

あたしはこうしてお母さんと別れた。
そして茜ちゃんの病室を聞いて向かった。


「茜ちゃーん?」

「あっ智葉ちゃんっ」

「……なんか緊張する」

「そうかな?」

「だって今日、初めて会ったんだよ?」

「そんなもんだよ」

そうなのかなぁ…?
でも

素直そうな子だな…。
羨ましいよ―…。

あたしには無いもの……。

「でも嬉しい…たまに“彼氏”が来てくれるんだけど…
女の子は来てくれないから…」

“ほら私入院ばっかで友達あんまりいないから”

と笑顔で付け足した。
その笑顔が…悲しい。

そんな悲しいこと…笑顔で言えるなんて…


なんて強いんだろ
羨ましい……