たとえあたしは我慢してると思ってても、どうせ……
それも全部
“誰かのため”
じゃなくて
“自分のため”

あたしは想の幸せを
翔ちゃんの幸せを願いたい。

あたしのことだから二人は無理なんだろうけど……。


「あ、電話……ごめん」

あたしは中庭まで出た。

「もしもし」

『あー!智葉ぁぁ!!
なんで来てないのー!!』

うわっおと!?
う、うるさ……

「ごめんごめんサボっちゃった。
どうせ午前中だけだし」

『むぅ……英語で書き取り攻めにあってる間にアンタは……』

か、書き取り攻め!?
行かなくてよかったぁぁ……。

『ってそんなことはどーでもいい!
プリントを預かってるんだけど今どこ?』

家行ってもいないし…
と、ボソッと溢した。