「とも!」

乙音。

ごめんな俺さ
まだお前に言ってないことがあんだ。

傷付けて傷つけられ…
偉そうにそう言ったけど

今回の話ばかりは
癒すことができないくらい
乙音にとって辛いことだから――…。

「乙音!」

「藤栄君と会ったでしょ?」

なんで知ってんの!?
黙ってようとしてたのばれちゃった(?)じゃんか!

「図星ね
まぁでもいいよ智葉には黙っとく
じゃあ私、帰るね
あ、智葉には言ってあるから」

はやっ
帰っちゃうの!?

「なぁに?帰って欲しくないの?」

なんでまたこいつは…

「ちげぇよ、気を付けろよ」

「何言ってんのよ」

へ?

「一緒に帰るのよ」

こういうのも
嫌いじゃない。
だからまだあの話はしたくないんだ。

乙音、許してくれる?