なんで、いないんだよ……。

想の家の近所の人に、
立ち尽くす俺を見かねたのかこう教えてくれた。

『想君、けっこう前に出てっちゃったわよ?』

……俺はうなだれた。

俺はいったい何処にいけばいいんだ?

着信?

《着信:如月 乙音》

乙音?

「はい」

やっぱり乙音の用件は、
まだ?
だった。

電話を切った後俺は乙音と一度落ち合った。

「あの子相当ヤバいよ
だからお願い、早く藤栄君を見つけて!」

「大丈夫……ちゃんと見つけるから。
だから乙音は智葉ちゃんと、想を捜して?
俺はアイツの行きそうな場所をあたるから」

「わかった。じゃあね」

俺らはここでいったん別れた。

俺はがむしゃらに
有り得ないだろう
というところまで捜した。

ったく、どこ行ったんだよ。