「なんで……想が?」

あたしを引っ張った正体は想だった。

でも、なんだかとても冷たい目をしてた。

「ご、ごめんな」

「はは!じ、冗談冗談!」

不機嫌な想に
彼らはあたしをナンパしたから怒ったのだと勘違いしたようで
急いで逃げていった。

「とりあえずこっちこい」

そう言われて連れてこられたのは人通りの少ない公園だった。

「あの、ありがとう」

そうお礼をいうあたしを想はギロリと睨んだ。

怖い。
あたしこんな怖い想しらない。

「ふざけんな!
何ナンパなんてされてんだよ!
女一人でほっつき廻るな!」

「でも想はあたしが男の人といたら嫌じゃないの?
それにあたし、頼れる人が想くらいしかいないんだもん」

「ハッ!自惚れてんじゃねぇよ!!
別れて、嫌いだって言われて、あまちゃんと付き合ってるって言われて
今更男といたって何も思わねぇよ」