ここが学校でよかった。
じゃなかったらあたし、翔ちゃんの名前を言わなくちゃならなくなる。

「おい、そこの二人!
早く教室入んないと遅刻になるぞ☆」

たまたま通りすぎた翔ちゃんに声を掛けられる。
あたしは自然と俯いてしまった。

やっぱり翔ちゃんはあまちゃんで、昨日のことなんてなかったかのように振る舞う。

それはそれで、心が傷んだ。

しかも今日想と合うと言うのも翔ちゃんに申し訳ない気がして…

「ごめん、なさい…」

あたしは俯いたまま翔ちゃんに謝った。

「はは教室に入れって言われたくらいでそんな謝んな☆」

それだけ言うとさそくさと行ってしまった。
違うんだよ?
本当はわかってるよね?
翔ちゃんそんな馬鹿じゃないから

でも想の所へ行ってごめんって言うのはわかってないでしょ?

傷つけててごめん
だけだと、思ってるんでしょ?