「あ、ありがとう……」

「なんだよその絞り出したような、消え入りそうな声は。ほらよ弁当」

「バーカ」

「悪かったな」

あ、認めた。

「帰って勉強でもしてなさいよ。じゃないと高校なんて行けないんだから」

「うるせー」

気を付けてね。

言葉にはしないけど…
なんだかんだで葉月のこと心配なんだから…。

「あ、葉月君、だっけ?送るよ☆」

「あ゙?どうも」

「智葉~!よかったね!!」

「うん……」

「そっかぁイケメン君の正体はまさかの葉月君かぁ」

「まぁ…お昼食べよ?時間なくなっちゃう!」

「まぁまぁ照れないの~」

「どこに照れる要素が?」

「イケメンな弟がいることっ!」

別に葉月を確かにカッコイイかもしれないけど、あんまり自分の弟をイケメンなんて思わないし、弟がイケメンでも得になることなんてそんなないし…