「あのねプリント提出しようと思たんだけど職員室にいなかったから」

「机の上に置いといてくれればよかったのに」

「そ、それじゃ意味ないの!」

顔を赤らめる生徒。
時々こういうことあるから慣れたけど…

やっぱり生徒は恋愛対象外。

……え?智葉?
だってアイツを好きになったのは…いつだったかは覚えてないけど…教師になる前の話だから関係ない。


智葉は特別だから―…。

でも贔屓はしないし普通にしてる。

っていうか智葉は贔屓のしようがないってのもある。

毒舌だから…。

「わかった。チャイムなるぞ急げ!」

「うんっ!」

照れ臭そうに、でも嬉しそうに笑う。

あー若いって良いな。

そんな風に思う俺はもうおっさんなのか?
おっさんなんてなおさら智葉に想いなんて伝えられないな。

俺は、密かに自嘲した。