「想…あたし、疲れたの」

嘘をついた。
心臓が……ズキンと傷んだ。

「疲れたから…別れたいと?」

「それだけじゃない、想と付き合って不安になった…だからサヨナラだよ」

あたしは後悔ばかりしてる。
きっとこの別れも後悔する。
だけどあたしは―…

「――――……わかった。」

そう一言告げると彼は悲しげな笑みを浮かべて背を向け歩き出した。

「智葉…バイバイ」

想の姿が見えなくなった頃あたしは一気に泣き出した。

「うっ……っ―…」

『智葉…バイバイ』
また…一人になった。

家に帰ろう…
お母さんはもう病院に戻ったし
弟は今日も学校サボってそのまま夜遊び。

――…辛い

せめて弟が真面目であれば良かったのに。

「姉ちゃん?」

「――…葉月」

そこにはあたしの弟(不良)の葉月(ハヅキ)がいた。