「智葉…」

心配そうにあたしの顔を覗き込む。

あたしは何をしてるんだろう?
何で想の所に行かないのだろう?
何で怒らないんだろう?

「あたし…怒りとかそういうの無い」

「え…?」

「呆れたのかな?ううん、違う、なんかもう…悲しすぎたのかな?」

「智葉、一発…一発藤栄君を殴ってこい」

「うん」

そしてあたしはまた想の元へと向かう。

あの電話の子が誰か凄く気になるけど
それ以上にあたしを見てくれない寂しさがあった。

ねぇ…あたしはただ従兄弟の家にご飯食べ行っただけなのに。
貴方は浮気をするの?

しかも楽しそうに他の子と電話して…
貴方にとってあたしはその程度だったってこと?

想…あたしは想しか見てないのに
想は違った?
やっぱり迷惑だった?

本当はあたしのこと好きじゃなくて
別の人見つけようとした?