想が追いかけてくる様子は無い。
なんだ…がっかり…。

「あ、丁度いいところに!」

「おと…」

「大変なのっ」

「何が?」

おとは凄く焦ってて

「合コンがっ藤栄君で女の子のケータイ…
あれ?」

「いや、あの…落ち着こう」

「うん……あのね、藤栄君が合コン行ったって…」

「え…あの某漫画のラブ☆コ「違う」

「じゃあ、あの合同コンサート?」

「言葉を創るな、しかも『あの』ってなんだ」

「はい……」

だって…想が合コンなんて…
信じられないけど
さっきの電話を考えると――…。

「………」

ポロリと涙が落ちた。
こんなことで泣くなんて余裕ないな…
そう思われたくない…
泣きたくない

そんな意思とは反対に涙は止めどなく流れていった。