「こないだの果物、うまかったか?」 「うん。」 今でも、味を覚えてる。 あのときは、まだ食べるのをやめてなかったから。 だから、食べた。 すごく、すごくおいしかった。 入ってたのはイチゴとオレンジと桃。 おいしかった。 「一緒に食おうぜ。」 「でも、」 「準備の手伝いしてくれてるからそのお礼。」 先生は、備え付けの冷蔵庫からもう切られた果物を出しながら笑った。