紅龍 ―2―




いつものように教室に居る蘭を願って俺たちは学校に向かった。




でも、実際教室に蘭の姿はなかった。




始業式が終わっても。




蘭は居なくて、教室にはもう俺たちしか居ない。



自然とため息が零れた。




「蘭―…来なかったね。」




横から淋しそうな遊の声が聞こえた。




「蘭の奴―…。」




「ほんま、どうしたんやろな?」




「龍。もう、惇さんのとこ行ったほうがいいよ。」




遊に愁真、拓真、晃人が続いた。




目は蘭の席を見つめている。




居てほしかったと願うように―…。




「…―惇さんとこ行くぞ。」




小さく呟き、俺たちは最後の望みで惇さんの居る理事長室に向かった。