いつものように教室に居る蘭を願って俺たちは学校に向かった。
でも、実際教室に蘭の姿はなかった。
始業式が終わっても。
蘭は居なくて、教室にはもう俺たちしか居ない。
自然とため息が零れた。
「蘭―…来なかったね。」
横から淋しそうな遊の声が聞こえた。
「蘭の奴―…。」
「ほんま、どうしたんやろな?」
「龍。もう、惇さんのとこ行ったほうがいいよ。」
遊に愁真、拓真、晃人が続いた。
目は蘭の席を見つめている。
居てほしかったと願うように―…。
「…―惇さんとこ行くぞ。」
小さく呟き、俺たちは最後の望みで惇さんの居る理事長室に向かった。

