紅龍 ―2―




「恭平―…。私は…」



「蘭ちゃん。」




言葉が詰まる私の名を京花が呼んだ。




急に聞こえた京花の声に驚きながら「何。」と聞くと、部屋の扉が開き京花が入ってきた。



「学校行きなよ。」




部屋に入ってくるなり、私の目をじっと見て口にする京花。




京花も私の心配―…?




「学校は卒業しときなよ。別に教室まで行かないでいいからさ、涼兄ちゃんの所でも居たら?」




私の気持ちを知ってか、教室には行かなくていいと言う京花。



でも学校には行けと言う。



まるで私が“学校”に行くのに選択肢は一つしかないとでも言うように。




いや、言っているのか。