紅龍 ―2―


恭平の顔が歪む。




「…―蘭。」




恭平の細い声が響いた。




そんな恭平の姿を見て、なんでそこまでするのだろうと思う。




私なんてほっといてくれたらいいのに。




どうせ、このまま行けば闇に落ちて行くのに。





私が怖いのはまだ闇の中に光が見えるから。




完全な闇ならいい。




でも少しでも光があると、どうしても逃げたくなる。



暖かい優しい光の中に。




学校に行ってもしも隼人や龍に会ったら、私は逃げてしまう。




優しすぎる仲間のもとに。




だから恭平。




そんな顔して心配しないで。




私にとって恭平も光だから―…。




お願い―…




私は弱いの。