紅龍 ―2―





“例えそれが自分自身を否定することになっても―…。”




私は部屋に置いてあるテーブルに目をやった。




そして目的のものに手をやる。




私はそれを覚悟を決めて髪に当てた。




―ジョキ―




―ジョキ―




―ジョキ―





「………―っ。」




私の手にあるハサミが音を立てると共に黒と赤の髪の毛と透明な涙が床に落ちた。




もう私には何もない。




心に大きな穴が空いた気がする―…。