誰も周りに居ないことを確認してゆっくり立ち上がった。



別に痛くもないお腹を触る。




すると手に赤茶の血に似たものが着いた。




そう、私は撃たれてない。



撃たれた振りをしただけ。



私を撃った振りをしたのはそう―…




「もう―…隼人君から逃げるの大変だったよ。」




かつかつと音を立てて私のもとにくる京花だ。




「ごめんね、京花。ありがとう。」




はぁと深くため息をつく京花に私は苦笑いをした。




まぁ、あの隼人から逃げるんだ。




凄く大変だったんだろう。



隼人の愚痴を言う京花を私はただ見つめた。