放課後、佳菜子がバスケ部の部室のドアを開けると、

「カナカナ〜!どーしたのぉ!?」

先輩達も、奇声にも近い声を出して近寄ってきた。


「新入部員かと思ったよぉ!」

「あはっ。ゆっこちゃんにアドバイスされて」

「ねぇ先輩、佳菜子似合ってますよねぇ?」

「うんうん。」

「ねー!ほら、皆もう見ました?そろそろ髪、結わきますけど良いですかぁ?」

「もー、やめてよ…恥かしいじゃん。」

「せっかく髪型変えたんだから、気分も変えて!」

「別に髪型変えたのは、くせっ毛の悩みから解放されたくて」

「きっかけなんて何でも良いの!要は気持ちの問題なんだから、自信持って!ね!行くよ!」

「えぇ…」


まるで自分のコトのように張り切る、ゆっこのその言葉は、何気で佳菜子にパワーをも注いだ。


おかげで、練習中の体育館には、女子部の声ばかりが響いていて…


「ホラ男子〜っ!女子に負けてるぞぉ!」


そんな調子で、練習後も絶好調な女子は、ワイワイと騒ぎながら校門を出た。


そこへ、

「なんだおまえら。随分はしゃいで、なんかあったか?」

声をかけてきたのは、バスケ部の男子だった。