尊敬が興味に変わり、いつしか、気になる存在へとなった佳菜子について、もっと詳しく知りたくなった高木は、
飯田から話を聞き、改めて、
佳菜子への気持ちや接し方を、慎重に考えはじめていた。


それまでの佳菜子の印象は、
地味に見えて強がりで、甘え下手で頑張り屋…

なんとなく危なっかしくて、
ほっておけない気にさせられる。


せっかく、話すと楽しいのに、
それが自分以外の人間にバレたくなくて…

独り占めしたくなった頃、

思いもよらぬ、異性の存在発覚に高木は戸惑いを隠せなかった。


バスケ人間の高木としては、
バスケットの支障となる余計な事は避けたいというのが本音だ。


いつかも、“私とバスケ、どっちが大事?”的な出来事が起こり、躊躇うことなくバスケをとったことがある。


次を考えることは無かったが、
仮に、彼女にするのなら、次は、バスケット少女が良いであろうと、漠然と思っていた矢先の佳菜子の登場だった。


それからは高木なりに、
二人の時間を大切にしてきたつもりだったが、
どうやら大切にしすぎてしまったようで…


気まずくなるのが嫌で、気持ちを伝えられないまま、
その日はやってきた。


飯田から聞いていた、К校の男が、高木の前に現れたのだ。