どこかで誰かが…

後藤は追い掛けてこなかった。


しばらくして、教室を覗いてみると、

(え…)

後藤の周りには、清瀬と、その男女の友達がとり囲んでいて、
まるで今までも、そのメンバーでランチタイムを過ごしていたかのようだった。


(そっか、後藤さんはこのクラスの人なんだもんね…)


佳菜子はトボトボと教室に戻り、自分の席で、独り、お弁当を食べることに…



放課後、部室に向かう佳菜子は、

「おい。」

聞き覚えのある声に引き止められたが、

「…」

無視して通り過ぎる。


「かっわいくねーなー相変わらず!」

と、小走りで近寄り、上から言い付ける清瀬。


「ふんっ!」

「そんなんだから、友達ができねーんだよ。」

「うるさいなぁ!いるもん!」

「誰だよ?地元のじゃねーぞ。」

「…ゆっこちゃん。」

「岡島?ふーん。…あいつさぁ…」

「なに?」

「…なんでもなーい。じゃな。」

「なんなの?!」


ブツブツ文句を言いながら着替える佳菜子だったが、
体育館の扉を開けた瞬間、一番乗りだというだけで、すっかり機嫌を直し、

独りで、夢中になって練習するあまり、いつの間にか、部員が揃っていたことにも気付かぬほど、没頭するのだった。