そしてついに、夏休みへと突入し一日目の練習が終了した。


「男子だけミーティングだってさ!」

「そーみたいだね。今後の練習内容についてだってよ。」

「あついね〜!」


さっさと切り上げた女子部は、散り散りに帰っていく。


「じゃね、明日。」


まだ練習中のサッカー部を横目に駅へと向かう佳菜子は、
高木の居ないホームに着くと、
携帯電話を取出し、広げて見た。


『練習終わったら電話する。』

『ごめん。やっぱ今日遅いっぽい。とりあえず電話するから。』


2件、続けての大沢からのメールに、

「ふふっ。」

独りにもかかわらず微笑んでいると、


〜ブブブ・ブブブ・ブブブ〜

新しいメールが入り、

『今どの辺?』


発信元の清瀬へ、返信メールを打ち返す。


『今ホーム。今日遅いってさ。ナシじゃない?』

『了解。昨日、岡島に捕まって、しつこく色々と聞かれたぞ。なんなのアレ?』

(へー。やっぱりゆっこちゃんは清瀬にラブなのかぁ?)

『なんだって?』

『おまえのコトやサワのこと。』

『ははは。心配性だから。』

『お節介って言うんだよ。おまえと一緒。だからおまえとも気が合うんだな。』