「そーか、なるほど!」

「ま、そんな感じだ。」

「頭いーんだね。」

「俺、ここ来る前、どこにいたか知ってる?」

「そーだった。(誰かさんと違って、受験組だったんだ…あれ?私、大沢と比較してる?)」

「早くやっちゃえよ。」

「あ、うん。」

「…」

「あれ?なんで今頃まで残ってたの?」

「え…ちょっと…」

「ん?」

「集中しろよ〜。」

「はいはい。」

「返事は一回。」

「…」

と、その時、

「なんだ高木?何してるんだ?」

担任の野本が、職員室から戻って来た。


「ちょっと…」

「なんだ?おまえ達つきあってんのか?」

「え?」

「!」

「ち、違うよ先生!やだなぁ…」


佳菜子は、高木に気を使って否定した。


「なら高木、おまえは早く帰って、御家族に話さなきゃならんだろ?」

「あ、はい。」

「こんなとこで時間費やしてないで。」

「大丈夫っすよ。」

「え?なに?」

「別に!なんでもない!」

「堀口はいーから!早くやりなさい!」

「えー。気になるなぁ。」

「だから集中しろって!俺…帰るから。」