どこかで誰かが…

駅から家までの道程をとぼとぼ歩いていると、二台の自転車が並んで、佳菜子の方へと向かってきた。


「うぃーっす。」


それは、清瀬と大沢で、

「なんなの?」

なんとか、冷静を装ってみせる。


「迎えに来てやったんじゃん。」

「…何か企んでる?女の子紹介しろ…とか?」

「要らねー…」

「!(あれ?そーなんだ…)じゃあ、なによ?」

「最近おまえが色気づいて、調子に乗ってるってキヨから聞いたからさぁ。」

「はぁ!?」


佳菜子が清瀬を睨みつけると、

「言ってねーよ。男ができそうだって言ったんだよ。」

その顔が、いつになくニヤけているのが分かった。


「何のこと?」

「よく一緒にいるところ見かけるから。ほら、こないだも電車で」

「あれは、帰る方向が同じだから…」


その言い訳には、ほんの少し必死さが感じられ、

「なんだ、違うのかよ?そんな珍しい人材がいるなら、ちょっと拝んどこーかと思ったのに…試合が近いから、神頼みってヤツで」

「ふん!嫌な感じ!」

からかっておきながら、

「ウッソ〜!チェックしに行ったんだよん!」

「なんの?!」

突然

「おまえ、好きなヤツいんの?」


大沢の顔が、真剣な表情に変わった。