どこかで誰かが…

結局、水着売り場に戻ることなく、三人はそれぞれ家路へと向かった。


佳菜子が改札を抜け、時計代わりに携帯電話を覗いた時、

「あれ。」

不在マークがついていて、
クリックすると、

“080……”

携帯電話の番号だけが表示された。


「誰だろ?」


辺りを見渡して公衆電話を探し、その番号へと電話をかけてみると、

「誰?」


その相手の、電話に出る早さに驚く佳菜子。


「え…誰?」

「あー、俺、大沢。」

「大沢!?」

「公衆電話って…おま、警戒しすぎ。」

「だって、」

「番号、登録しとけよな。」

「…どーしたの?」

「つーか、おせーよ!今どこ?」


そんなこと言われると、
さっきのゆっこや吉田の話が頭を過る。


「駅…」

「つっ!今、行くから!」

(え?)


期待するわけではないが、
鼓動が、やけに激しく反応することは、
自分ではどうにもできなかった。