どこかで誰かが…

「なにが?」

「だからぁ〜!あの男が佳菜子のこと好きになっちゃって、彼女と上手くいかなくなっちゃった…みたいな?」

「はぁ?ないない!絶対ないよ、そんなこと!」

「なんで?」

「だって私、女の子の扱いされてなかったもん!きゃぴきゃぴしてないし、おしゃれだって下手くそで」

「そーゆーのがタイプって男もいるんじゃないの?…」

ゆっこがニヤケながら言うと、

「もしかしたら、その友達のことさえなければ、あの男と…なんてこともあったのかも?」

「…」

「なーんて、今さらか?!…あ、でも、ちょっと待って!」

吉田の暴走に拍車がかかる。

「今からでも遅くなかったりして?だってК高って男子校じゃん!いつも練習ばっかで女の子との出会いも難しいんじゃ…あー!だから今日、会いに来たんじゃないのぉ?!」


そんな勝手なコトばかり言う吉田とは対称的に、

「でもさ、佳菜子の気持ちはどうなの?」

ゆっこは冷静に分析をはじめた。

「さっき久しぶりに彼を見た時、実際ときめいた?」

「それは…なかったかな?てか、“何してんの?”って方が先で…」

「じゃあ、焦る必要なんて無いよ!もし、あの男がホントに佳菜子のコトが好きなら、なんらかのアプローチしてくるでしょ?」

「なるほどねー。確かにそーかも!やっぱり告白は男からじゃなくちゃ!ちなみにあたしは、言わせたけどね!」

「ほー…さすが。」

「阿部の様子が目に浮かぶ…そんなことより佳菜子!あんたは、もう少し周りを見るんだよ!恋は焦らず!そして、自信を持って!」