あの日、片桐との電話を一方的に切った清瀬は、
すぐに佳菜子へとメールを送っていたのだが…

『さっき片桐くんと電話で話したよ。信じてみても大丈夫だと、俺は思うけど。』

佳菜子がソレを読んだのは、次の日の朝だった。


返信が無く、ずっと気になっていた清瀬は、次の日の夜、堀口家を訪ねることに…

すると、

「コンビニに行くの、つきあってくれる?」

佳菜子は上手く外へと連れ出した。


「あれからどうした?…片桐くんと話したか?」

「私、ケータイの電源オフってたから…たまにチェックしてたけど、怒っているのか怖気付いたのか…メール来て無いんだよね。」

「…してみりゃいーじゃん。」

「いーよもう…」

「良くねーだろ。」

「…もうちょっとしたら、お互い冷静になれると思うから。」

「おまえは良くても、アッチには例の女が居るんだぞ。そんな呑気なこと言っててイーのか?」

「そーなったらそーなっただよ。て言うか、そーなるべきことだったって感じ?」

「おい。ヤケになるなよ。」

「ヤケ?…そーだね、その時は私、ヤケにでもなってみようかな!」

「そーなる前にちゃんと話し合えっつーの!…ヤケになるくらいなら、もう一回カナダに行って、思ってることブチマケてこいよ!」

「無理だよ。もう有休残ってないし、メールにも“来るな”って」

「なに律儀なこと言ってんだぁ!今さっき、ヤケになってやるって言ったばっかじゃん!」

「だって、」