どこかで誰かが…

「どうしたの?ずっと居たの?」

「一度家の前まで行って、また戻ってきた。」

「なんで?」

「おまえ、分かりやすいんだよ」

「…」

「どした?」

「ん…うん…(言っても、どうにもならないもんね)なんでもないよ。」

「…強がるな!」

(!…そんなこと言ったって…)

「俺にならなんでも言えるんじゃねーの?」

「…急にどうしたの?(そんなに優しくしないでよ)」

「話、聞くだけならできるし。」

「…(泣きそう…)」


喋ろうにも、声がひっくり返りそうで…
それがバレぬよう黙り込んだ。


「今行く。」

「(え、)待って!」


通話が途絶え、
慌てて部屋を飛び出す佳菜子は、階段を下り切ったところで清瀬と対面した。


「…なによ…大丈夫だって言ってるでしょ。」

「パソコン見せて。」

「ちょっ!」


佳菜子を押し退け部屋に入り、
パソコンを操作する清瀬を、退かそうとするのだが、
体格が違い過ぎて、全く退かせないでいると、

「…なんだこれ?」

未開封だったメールが、清瀬によって開かれてしまった。


「なぁ、なんなのコレ?!」

「…なんだろ?」

「原因はこれか…」