どこかで誰かが…

ある日、ミニバスのホームページをチェックしようとパソコンを開いた佳菜子。


「あれ、メールが…」


未開封メールが11通もあった。


「いつから?」


パソコンというものに、それほど執着していない佳菜子が開くのは、2日ぶりのことだった。


登録しているサイトから3通、
残りは全て同じアドレスで、全く知らないモノだ。


首を傾げながら、そのアドレスからのメールを開いてみる。

すると、

『はっきり言って困惑してます。お願いです。もう、彼を解放してあげてください。』


「…なにこれ!?」


佳菜子はその前のメールも開いて見た。


『まだまだこれからなのに…結婚が必ずしも良い結果をもたらすとは、到底思えない!』

『縛りつけられ、身動きが取れない彼なんて、見ていられません。』

『私はどこでも付いていく覚悟です。』

『彼が働ける場所は、この国だけとは限らないのです。アメリカやオーストラリアや各国の、その国にしかない、その国らしい企画を幾らでも見出だすことの楽しみを、私には彼が我慢してるようにしか思えません。』

『あなたの存在が、彼の評価の妨げになっていることに気付いてますか?』

『知っているかと思いますが、片桐さんの契約の更新が近づいています。以前の企画が認められ、彼の存在は必要不可欠と、誰もが信じています。さらに飛躍するであろうと期待される、ホープと言っても過言ではありません。ただ彼は、あなたの存在を気にしています。残念でなりません。』