どこかで誰かが…

ひとまず安心した佳菜子は、家へと戻った。


清瀬と仲直りができて、気持ちもスッキリしていた。


清瀬に言われた通り、事故の件は片桐に伝えず、
今日も無事に一日が過ぎたと言う報告メールだけをカナダへと送信する。


“片桐くんに心配かけたくないからさぁ…”


そんな清瀬の言葉に、実はふたつの意味があることもしらずに…

それは、

ひとつは清瀬の身体のこと。
もうひとつは、清瀬への嫉妬だ。


清瀬は、片桐がどれだけ佳菜子に夢中かを知っている。


いくら親しくなったとはいえ、時折、こんな自分に対して敵意を示してくれていた片桐。

そしてそれを、少し嬉しくも感じたものだ。


(あれだけ多方面で経験豊富な男が…マジで?)



はじめは、片桐が佳菜子に本気で惚れるなど、信じられずに疑ったものだが、

以前、高木と佳菜子の恋を邪魔してしまった罪滅ぼしというか…


そこで、

“もしもダメだった時は、
その時こそ責任をもって、
俺が堀口のことを…”


そんな、得体の知れない責任感にかられる清瀬だった。


(兎に角、まずは二人を見守ろう…この先どうなっていくのか…)



そうなると、独り異国の地に居る片桐の心配は募って当前だ。