サロンでは、常連客である従妹の紹介とあって、
自分の髪質の相談に神妙にのってくれた美容師が、
着ていた制服とのバランスも考え、
派手過ぎずに普通っぽくもなく、くせっ毛の要素を生かして自然なウェーブをきかせたスタイリングに仕上げてみせた。


生まれて初めてのパーマに費やした、時間と値段と、その腕は、佳菜子に衝撃を与えた。


「良いんじゃない!」


近くのカフェで待ち合わせしていた従妹は、立ち上がって絶賛している。


おかげで、周りから注目を浴びる佳菜子は、慣れない場所と髪型に戸惑うばかり。


「何にする?ここはおごるよ!」

「いいの!じゃあ…これ!」


初めてついでに、初めて飲んだカフェマキアートは、想像してたよりもホロ苦く…カップの底が見えた時には、今までとは違った自分を感じることができた佳菜子だった。